酷派集団の狙いは、スマホをネット販売することで低価格を実現することでしょう。
もともと酷派集団は低価格スマホに強みがあるようで、その意味で価格競争力をさらにつけシェア獲得を目指すものと見られます。
競争が激しく既に汎用化しているスマホというハードで勝負する業界、銘柄について私は投資対象としないことは書きましたが、酷派集団の業績はいまのところ堅調です。
2014年の上半期の業績で言うと、売上14,934百万香港ドル、利益が404百万香港ドルです。利益率2.7%は低いですが、スマホメーカーだからこんなものでしょう。時価総額も1000億円足らずといったところでPERも低いようです。いわゆるIT企業のようにはいきません。スマホ製造というと、ITど真ん中のように感じますが、私の定義ではIT企業ではありません。
今回の電子商取引会社の件で気になるのはまず、拠出額の大きさです。奇虎360の出資額が4億ドルで45%ですから、おそらく酷派集団その他で4.88億ドル拠出することになります。
米ドルと香港ドルと人民元が入り混じって分かりづらいので、ざくっと円で計算してみましょう。
電子商取引会社の資本は1065億円程度となります。奇虎が480億円、酷派集団が585億円です。
奇虎360の自己資本が1240億円程度、酷派集団の自己資本が470億円程度です。どちらもかなりの出資をしていることになります。
奇虎360に関しては、2000億円程度のキャッシュがありますから問題ありませんが、酷派集団に関しては、単体の財務諸表でみる限りかなり無理をしているように見えます。ただグループ全体や資金調達を既に準備しているかもしれず、正直良く分かりません。
問題となるのはこの電子商取引会社がどういう展開をするかです。酷派のスマホをネット販売するわけですが、製造と販売で利益配分がどうなるのかが見えてきません。
奇虎360の狙いは、検索アプリのプレインストロールにあると私は見ておりますから、この電子商取引会社が利益をさほどあげなくても差し支えありません。
しかし赤字を垂れ流して資本を食いつぶすと少々厄介です。
にほんブログ村
スポンサーサイト